-20年お疲れさまでした。いまの心境は。
「シーズンが終わって少したった。実感はないが、時間がたつにつれて実感し始めているところです」
-さみしさ、安心感は。
「ホッとしたのが一番。今年1年、ケガなく、少しでもチームに貢献できたかな、という安心感です」
-シリーズを振り返って。
「結果的にチームが日本一になれなかった悔しさはあるが、自分の中では出し切った充実感があります」
-もう一度、マツダで投げたかった。
「第7戦までいくと投げるつもりでいた。日本一になるために投げたかったが、こればかりは勝負事。最後の最後で勝負の厳しさを思い知らされた」
-最後にファンに向けて手を振った。
「こうやってユニホームを着て、一緒に戦った仲間と会うことがある。いまの時点では実感がない」
-後悔は。
「出来過ぎの野球人生。最後はこういう形でリーグ優勝できた。僕の中では満足できる野球人生だった」
-チームメートに対しては。
「みんな1人、1人にありがとうという気持ちを伝えた」
-新井には?
「しょっちゅう会ってるんで。彼もまだあまり実感がわいてないです」
-(日本シリーズでの)最後の1球については。
「自分では、これが最後と思って投げていなかった。気持ち的にはまさかこのボールが最後の球になると思ってなかったので。あまり考える時間と余裕もなかった」
-プロ野球人生最後の打者が大谷となった。
「僕自身はもう少し長いイニングを投げたかったですが。いい思い出になりました」
-1球の重みは。
「1球、1球が、僕の中で充実していた。ファンの声援を背中に受けて(マウンドに)上がる。苦しい中で充実感と幸せな気分になった。最高の締めくくりができた」
-印象に残った1球は。
「難しいですね(笑い)。リーグ優勝した試合もそう。ゆっくり時間をかければ出てくるかもしれないが。リーグ優勝した試合でマウンドにいることができた。僕の中では大きかった」
-入団時に今の自分は想像できたか。
「20年間もプロ野球生活が続くと思っていなかったので。不思議な感じがしますね」
-野球人生を振り返って。
「苦しい思いがあったから成長できた。いままでいろんな人に携わってもらって成長できた」
-メジャーに移籍した当時のことは。
「自分で決めたことだが、チームを離れるというのでさみしい気持ちだった。ファンの人の応援、声援がないとプロ野球選手は成り立たない。ファンの人の存在が自分の中では、最後の最後まで大きかった」
-アメリカの1球、1球とは。
「常に僕の中では、マウンドに上がれば1球、1球という気持ち。気持ちがない1球を投げたことはない。どこの球場、ユニホームを着ていても、僕の中では目いっぱい投げてこられた」
-打球が頭部を直撃したこともあった。
「当たった時は選手生活を考える前に、自分が死んでしまう恐怖感があった。野球を考える余裕がなかった」
-後遺症に苦しむ中、投げ続けた。
「自分なりの責任感。勝手に責任を持って、それなりに追い込んできたと思う。契約した以上、チームのために投げないといけない。ファンの前でしっかりしたパフォーマンスを見せないと」
-ミスター完投。この2年は。
「メジャーの後半は自分の思った投球ができない苦しさがあった。でも、それを受け入れないと。葛藤はあったが、晩年、できなくなってきて。こういうピッチャーでいいのか、常に葛藤はあった」
-体の状態は。
「それも含めて、自分の中で受け入れて。その中で常に結果を出すことを考えてきた」
-カープで野球ができたことに対しては。
「間違いなく、カープに入っていなければ、これだけの野球人生を送ることができなかった。本当にカープでよかったと、つくづく思っています」
-今後のカープについては。
「簡単じゃないと思いますが、リーグ連覇。そして日本一にチャレンジしてもらいたいと思う」
-後輩に向けて。
「たくさん力のある選手がいる。まだまだ伸びていく選手も。慢心だけはせずに頑張ってほしいと思います」
-新井選手には。
「さっき、このあとFA宣言の会見する、と言ってたので(笑い)。僕もそちら側で聞きたいな、と思います」
-今後は。
「全く考えてないですし、自分がどうなっていくか分からない。取りあえず野球から離れて、ゆっくりしたい」
-カープに戻ってくることも。
「現時点でそこまで分からない。自分がどれだけ野球が好きだったか、離れたら分かると思います」
-「15」番が永久欠番。
「自分の中で鳥肌が立ちました。北別府さんをはじめ、OB、たくさん素晴らしい人がいる。そんな中、僕の背番号がそうなるのは恐縮するとともに、15番はファン、球団の方の心配りで、広島でもう一度ユニホームを着て、マウンドに立つことができた。携わってきていただいた方々のおかげ。みなさんの背番号だと思う。15番のユニホームを見た時に、今年のリーグ優勝を思い出していただければ。僕はそれで幸せです」
-ファンに向けて。
「ファンの人のおかげで…。また日本、アメリカでも、たくさんの人に応援していただいた。最後に広島のファンの方の前で野球をすることができました。みなさんのおかげで素晴らしい野球人生になった。感謝したいと思います」
(Staff鈴木)